きものができるまで

奥深き帯締めの世界 〜帯締めのさくら 島田社長のお話を伺いました〜

 

こんにちは^^

 

和創塾
〜きもので魅せる もうひとりの自分〜
主宰 上杉惠理子です。

 

 

きもののコーディネートで
占める面積としては
いちばん小さいのに
大きな存在感を発揮するもの

 

それは

帯締め

 

 

 

帯締めはその名の通り
帯の上に締める一本の紐。

これ一本で
背中のお太鼓を支えます。

無地だけでなく
細かい柄が織り出されたものもあり

きものよりも真っ先に
目線が行くポイントにもなります。

 

 

細い一本の紐なのに
大きな存在感を発揮する帯締め。

 

 

 

先日、2018年12月15日土曜日
朝いちばんで
きもの専門店 銀座もとじさん
和装小物のメーカー株式会社さくら の
島田社長さまから
じっくり帯締めのお話を伺いました。

 

■和装小物さくら
http://sacra-japan.com/

 

 

濃いグレーにSACRAの文字が
さくらさんのお品たち。
色がとってもキレイなものが多くて私も大好き♪

 

きものや帯の作家さん・職人さんの
お話をお聴きすることは
これまでにも何度かあったのですが
帯締めの話は初めて!!

 

これは行かねば!!と早起きして
気合いたっぷりイチバン乗りで
行ってきました♪

 

ですがとても奥が深すぎて…
一回のお話ではわからないことも
たくさん!!!

私の復習も兼ねて
メルマガ読者さんに
シェアさせていただきますね♪

世界でも類を見ない日本の組紐の技術

糸を組んで紐にする組紐。

 

ざっと歴史を振り返ると…

もともと組紐は
仏教の経典をまとめて結ぶものとして
飛鳥時代に中国から
日本に伝わったのが始まりとのこと。

 

経典を結ぶので
最初は柔らかいものでしたが、
貴族の冠に付けたりと
この組み方はこの位以上の人だけ!と
位の高さを表現するアイテムになります。

 

そして
組紐が日本で大きく進化したのは
武士の武具甲冑の紐として
使われたから。

矢を通さない堅さと
動きやすいしなやかさを持つように研究され
いろいろな組み方が生まれます。

 

平和になった江戸時代には
武士が自分でデザインし作った組紐を
刀につけていたそうです。

 

 

きものの帯の上に結ぶ
帯締めになったのは
江戸時代の終わりからと
比較的最近なのですね。

 

もともとは中国から
伝わったと言われ、

遠く南米のインカでも
ウールや麻を使った組紐が
ありましたが

日本の組紐は
絹糸を組むことで
精密な柄を出せるようになり
世界でも類を見ない
素晴らしい工芸品となります。

 

 

本当に日本の人の
技術を深める姿勢は
ものすごいものがあります…!

お話くださった島田社長も
「本当に日本人の仕事はすごい」
と何度もおっしゃっていました。

 

 

帯締めの組み方いろいろ

基本、帯締めには
4タイプあります。


左の黄色とオレンジから順番に…
①丸組(まるぐみ)
②平組(ひらぐみ)
③冠組(ゆるぎぐみ)
④三分紐(さんぶひも)・二分紐(にぶひも)

簡単に説明すると

①丸組は、
断面が丸になる組み方のもの

②平組は、
断面が薄く平らになる組み方

③冠組は、
断面が長方形になる、
②平組より厚みがある組み方

 

④三分紐は平組の一つですが
帯留を通すための
もっと細くて
長さも短いタイプですね。

…この4つだと思っていたんですけど
これは大分類みたいなもの!

実は組み方にはもっともっと
たくさんあるということを
さくらの島田社長から
教えていただきましたー!

これは遠州組、これは笹波組…
といろいろと見せていただいたのですが

柄ではなく、
あくまで組み方で見分けるそうです…!!

 

 

帯締めもピンキリ!クオリティの高さはココに出る

 

帯締めはプチプラなお店に行くと
1本1000円からでも
手に入れることができます。

この日、私は今までの人生で
一番高価な帯締めを
見て触らせていただきました…!!

 

そのお値段…
30万円!!

300倍ですか…!?
(桁、あってます??笑)

 

なぜそんなに変わるのでしょ!?
何が違うんでしょ!?

 

何がこんなに
値段というかクオリティが変わるのか
私なりにお話をまとめてみると…

・絹糸を化学染料ではなく
 草木染めをしている

・中国で機械組をしてしまうものが多い中
 良いものは国内の職人さんの手仕事

・無地なら簡単だけど
 細かい柄を入れていく
 (家紋を織り込むこともできるらしい)

・柄が表裏ぴったり合っている!
 (普通、柄がズレるんです)

・ずっと同じ柄ではなく
 途中で柄を出さずにぼかしを入れる

 

 

こちらの帯締めは
10万円クラスだったかなぁ

このコはダイヤ型のような柄の裏が
キレイな無地になっていて

しかも帯に締めたときに
わざと左側だけに柄が出るように
うま〜く配置しているんですね。

 

帯締めの世界に新しい風を吹き込む

 

帯締めの老舗といえば
道明さんという創業360年という
有名なメーカーさんがある中で、
さくらさんは今年で17年という若い会社です。

 

もともと和装小物の卸・販売をする
会社にお勤めだったところ

もっと想いを込めたものづくりをして
お客様に届けたいという想いがあり

神奈川の茅ヶ崎で
糸の草木染めから行う組紐の先生との
出会いがあって

17年前に独立しちゃったそうです。

 

この日お話された
きもの専門店 銀座もとじさんは
17年前からさくらさんを応援されていて
一緒にお客様の声からものづくりを
されてきたそうです。

 

なんて素敵なお話♪

 

 

この島田社長さんがまた良い方で。

50代くらいでしょうか。
ぱっと見の外見は背も高くて大柄で
ちょっと強面な男性なのですが、
とってもシャイで、
普段そんなに人前でお話されないそうなんです笑
写真を一緒に撮ってくださいって
お願いできずでした笑

 

島田さんご自身が
職人さんに近い気持ちを
お持ちなんだろうなぁ。

 

何気なく締めてしまう帯締めですが
いろいろなところにこだわって
作っていらっしゃるんだなぁと
とっても勉強になりました。

 

 

きものや帯だけでなく
帯締め一本にも
ものすごいストーリーがあって…

 

きものの世界って本当に
太平洋のように広くて深い。

 

私はそこにものすごーく
ときめいちゃうんですよねぇ〜〜

 

 

奥深き帯締めの世界。

 

来年は生徒さんを誘って
組紐体験に行ってみようかな。

 

それではまた!
お読みくださりありがとうございました!

 

 

和創塾
〜きもので魅せる もうひとりの自分〜
主宰 上杉惠理子


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